私が弁護士登録したのは1980年です。弁護士として長い時間生きてきました。
私が弁護士として歩んできた日々は、かつての「共生と自制、倫理と思索」に夢を託した時代が「むき出しの欲望」を善とする時代へと変容していった過渡期だったように思われます。欲望をさらけ出すことや、他人を貶めたり差別したりすることを恥ずかしいと思わない風潮が気になります。こんな時代に、弁護士は何をできるのか。愚直と言われても、原点を振り返る努力だけは続けたいと思います。
複雑な社会事象も補助線一本を入れられれば、きれいに解ける、というのが私の持論です。信頼してもらえれば、意気に感じるタイプです。他の弁護士が考えないようなことを考える弁護士でいたい、的確な補助線を入れられる弁護士でいたい、私の思いです。